わたしかしわしみん

柏市議会、柏市政の観察記録

R4①定例会閉会(議案採決、柏市役所再編に関する附帯決議への見方、柏清風猛省のススメ)

昨日、3/22日に柏市議会令和4年度第1回定例会が閉会となりました。

結論としては、提出された議案はすべて可決となりました。議案の中には太田新市長の政策を反映しているものもあったので、結果としては、新体制下での新年度を順調に迎えることができるということで。ただ、そこに至るまでのプロセスでは、会派あるいはセンセ毎に、太田新市長との距離感というか、新体制へのスタンスの違いというのが見えたのが、今定例会の個人的な収穫です。

まわりくどい言い方をせずに申し上げると、柏清風(自民党系の会派)は太田市長下の新体制に大変ご不満でいらっしゃる様子が随所にうかがわれたのが今定例会のハイライトの1つだと思います。

柏清風に所属しているみなさんが本当に同様にそうtなのか、と問われるとよくわからないですが、少なくとも、ご不満を感じている柏清風のセンセ方の言い振り(我が会派としては~とか、柏清風としては~とか)からすると、市民目線としては柏清風のセンセ方はとりあえず太田新体制にはやや批判的と捉えざるを得ません。

以上のことは、今定例会における議案1(市役所体制の再編)が可決に至るまでの顛末に象徴されています。以下、ちょーざっくり、その顛末をまとめます。すべてワタシの主観です。特に、括弧内はワタシの感想100%です。正式には議事録をご覧ください。

 

1.代表質問、一般質問

まずこの議案については、定例会の序盤において、柏清風の古川センセが代表質問において、大胆な組織再編を拙速に進めているとして批判的な見方を示されています。会派を代表して行う質問ですから、柏清風全体として本件は慎重に議論しないといけないという態度を表明されたことを意味します。

その後の一般質問でも、例えば柏清風の円谷センセが本件についてはっきりと「反対」と明言されていました。

(この時点でですね、もしかすると、この議案1は廃案になってしまうんではないか、とワタシ思ったのですよ。というのは、柏清風は柏市議会の最大会派でありますので、少し根回しして例えば公明党のセンセ方を巻き込めば、採決のときに過半数の反対→否決を作り出せる訳です。これは本件の審議を所管する総務委員会でも同じことです。)

(しかし、こうした手段を取ることは政治的にはかなり大きな意味を持ちます。なんせ、太田市長は先の選挙で市民の信認のもとで当選を果たしている訳ですから、その市長の思いがのった議案に反対するとなれば、それは太田市長に投票した市民に挑戦する訳ですから、場合によっては政治生命がリスクにさらされます。ですので反対するのであれば、それなりの根拠と覚悟が必要です。)

(ワタシとしては、センセ方が信念をもって反対なさることは民主主義の真骨頂でありますから、大歓迎であります。互いに考えを戦わせることこそ政治プロセスですから、新体制の門出に暗雲たれ込める現状に何となくの不安を感じる一方で、政治的にあ激アツな展開を期待する、不安と期待で胸を膨らませる転校生みたいな心境になったのです。)

 

2.総務委員会での模様

本件を所管する総務委員会での審議においても、さまざまな見地から本件が議論されました。恐ろしいほどに単純化するとですよ、本件の検討プロセスや、そのメリットデメリット等について詳細な質問がセンセ方からなされ、それに対してお役所の事務方から丁寧にご説明されるということで、この部分の議論についてはワタシふむふむといって聞いておりました。

ただ、柏清風のセンセは、どうも本件が拙速に進められており、市民に混乱が生じるのではないかとの懸念を念頭に、やや批判的なご主張を展開されています。一年後にしてはどうかーとの匂わせもありました。

(委員会の議論を聞ききながら、柏清風のセンセがそういうスタンスを取ること自体は想定の範囲内でした。ただ、ワタシは想定外に強い不満を感じました。というのもですね、この期に及んでもまだ、センセ方が本件にご懸念示される具体的な状況が見えてこないのですよ。抽象的に、混乱が生じる可能性がある、みたいなことを繰り返すばかりです。本件を可決すると、具体的にどのような問題が生じる懸念があり、その問題による影響がどの程度重大なのかについてのご説明が皆無なのです。)

(先に申し上げたように、本件に反対されることは、相応の政治リスクを伴うことであり、具体的根拠に乏しいままに反対なさることは天に向かって唾を吐くが如しなのですが、わかっているのでしょうか。もしわかっていないということだとすると、柏清風のセンセ方は、余程呑気なのか、それとも柏市民をなめているかのいずれかだと思いますがいかがでしょうか。ですからワタシは不満を感じたのです。)

結局、最後まで批判になっているのかなっていないのかよくわからない抽象的な議論のまま、採決を迎えます。で、この採決結果が、全員賛成で可決と。

(議論からうける印象と、態度表明が違うんだが)

すると、さらに想定外の事態が発生します。柏清風の村越センセから本件について附帯決議を行いたい、との申し出があり、その案文が関係者に配付されます。

附帯決議の本文を引用します。

本 議 案 に お け る 組 織 改 編 は , 大 幅 な 改 編 に も 関 わ ら ず , 準備期間及び周知期間が短く ,施行された場合,窓口業務等で市民や関係者の混乱を招く恐れがある。加えて,頻繁に所管部 署 が 変 更 さ れ る 業 務 も あ り , 業 務 の 停 滞 も 懸 念 さ れ る 。よ っ て , 市 に お い て は , 下 記 の 事 項 を 速 や か に 取 り 組 ま れる よ う 強 く 要 望 す る 。

本 条 例 の 施 行 に 当 た っ て は , あ ら ゆ る 手 段 を 講 じ , 市 民 や職 員 の 混 乱 を 招 か な い よ う 努 め る こ と

引用終わり

 

そんで、この附帯決議にかんする議論(というか各センセの賛否表明)をごく簡単にして、附帯決議を付すことは賛成多数で可決。反対されたセンセもいらっしゃいますが、ここは多数決。

 

(何度も何度もこの附帯決議をポジティブに解釈しようとしているんですが、どうしてもできないんです。)

(まず附帯決議とは何かってことなんですが、柏市議会の条例などを見ても出てこないので、法令用語としては定義されていないのでしょうか。ウィキペディアを見ると「附帯決議(ふたいけつぎ)とは、国会の衆議院及び参議院の委員会が法律案を可決する際に、当該委員会の意思を表明するものとして行う決議のこと。また地方議会においても委員会で議案を可決する際に、同じく附帯決議がなされることがある」とあります。)

(国会審議ではよく見ますよね。現状の議席状況では、ある法律案が議会に提出された時点で、余程のことがない限り与党の賛成多数で可決されます。何もなければ予定調和のうちに議論が進み、原案が可決されてしまう訳です。それでは野党は何してんだってことになるので、当初の問題意識のもとで議論を尽くし、原案に足りない事柄や、原案をより良くする観点から、原案を補足する事柄をあわせて決議する、附帯決議を野党として要求するって訳です。ただこの附帯決議、法的な拘束力はないので、パフォーマンスに過ぎないとの批判にもよくあいます。ワタシとしては、附帯決議は、原案には欠けている問題意識等を補うことができること、野党としての見方をきちんと残る形にすることができる点で、全く意味がないものとは思いません。現実的な政治ツールの1つではないでしょうか)

(こうしたワタシの理解ですので、柏市議会の市役所再編の条例案に関する附帯決議には強烈な違和感を持つのです。違和感のもとは、①最大会派の柏清風が提案していること、②附帯決議の中身がカラッポなことです。)

(①について、いや、附帯決議なんかしなくたってですね、最大会派の柏清風さんですから、その気になれば反対できる訳です。原案の理念はわかる、ただ心配事があるということであれば、その心配事を解消できる修正案を提示すれば良いのです。それがですよ、原案ママに賛成しておいて、附帯決議を付すなど、最大会派がやることなのでしょうか。一万歩譲ってそれはいいとしてもですよ、②ですが、その附帯決議の中身がスッカラカンじゃあ、やっぱり意味ないですよね。「混乱を招く恐れ」とか「業務の停滞も懸念される」とか可能性の話だけに基づいて、「あらゆる手段を講じ、市民や職員の混乱を招かないよう努めること」を市に求めると。いや、ほんと書いてるだけで頭にくるほど中身がない。)

(いちいち反論すると、「混乱を招く恐れ」とか「業務の停滞も懸念される」とか、具体的にどういうことなのかきちんと根拠を持ってお話しくださらないと、「それはあなたたちの主観でしょう」って反論されて終わりなんですよ。「可能性の話をしているんだ」ということであれば、ありとあらゆる政策につきものなので、わざわざ本件だけ附帯決議を付す理由になりません。つまりまず要請の背景が意味不明。)

(加えて、要請部分、あらゆる手段を講じ混乱を招かないよう努めることって、まじ当たり前のこと言ってどうすんですか。混乱を生じないよう努めるのがお役人さんのお仕事、それで給料もらってるんです。それでも新しいことをすればすべて完璧って訳にはいかないかもしれませんし、そういうときのリカバリーも含めて懸命にやること、これは公務員の使命です。というか公務員でなくても施策に万全を期すなど当たり前田のクラッカーです。それを改めてこんな大げさにいうなど、笑止!!)

(最後に、細かいこと言いますが、この要請の名宛人は「市」となっている一方で、要請では「市民や職員の混乱を生じないこと」ってなっています。「市」って言うとですよ、市長、副市長、市役所職員からなる「柏市」をイメージする訳で、そこには当然職員も含まれるわけです(というか市長も広義には柏市職員です)。するとですよ、柏市職員に対して柏市職員に混乱が生じないよう求めるって、意味不明な要請だと思わないのでしょうか。)

(どうしてこういうことになるかを想像するとですよ、例えば、柏清風のセンセがある柏市職員にヒアリングしたときに当該職員が困惑した様子であったことがあったとして、そういう特定の職員をイメージして「職員」という用語を用いているのかもしれません。そういう困惑している「職員」に対して、本件を進めている市長とか少数の幹部を「市」と表現している、そういうことかもしれません。だとしたら、そうきっちりかき分ければいいかっていうとまた別の問題が色々ある訳ですが)

(少なくとも、この附帯決議は日本語としても意味不明、未熟ってことが、ワタシの申し上げたいことです)

 

3.委員長報告、議案可決

総務委員会で附帯決議が可決されましたから、これは当然にそういう附帯決議が可決されたことを本会議に報告します。するとこれに対して、松本センセや末永センセがご質問。

松本センセからは、そもそも柏市の組織再編は、外ならぬ柏市が検討のうえ提案しているのであるから、基本的には尊重すべきことであるはずなのに、こうした附帯決議を付すことはどういうことなのか、とご質問。

(まったくもっておっしゃるとおり)

また、末永センセは、そうとうご立腹で、この附帯決議は柏市議会の恥であるからして取り下げるよう迫っておりました。また末永センセがお話の最中、他のセンセからヤジが飛んだのですが、これに対して、末永センセ、意見があるんだったら正式に発言しろ!と叱責。すると委員長が「質問を続けてください」と末永センセを制しようとしますが、これに対して末永センセ「議長、きちんと注意しろ!」と凄むと、議長は「はい」と二つ返事。

(このシーンは誠に見ごたえありました)

だいぶ面白い部分を端折ってますが、結果的には、本件は可決されました。

(松本センセと末永センセが仰ってることはよくわかりました。ぜひ、録画をご覧いただきたい。。)

 

さて、長くなりましたのでまとめるとですね、この附帯決議をめぐってワタシが感じたことを箇条書き。あくまでワタシの主観ですよ!

・柏清風のセンセ方は、どうも太田市長の新体制が気に入らないご様子

・かといって、政策に説得力あるかたちで批判を行う意欲?気力?能力?なし。

・最大会派にもかかわらず意味不明な附帯決議を提案するという迷走ぶり

・一連の行動は、柏市清風のセンセ方が呑気、または、市民を軽んじている可能性

 

てなわけで、今回、少なくとも本件については柏清風に猛反省を促したいのですが。いかがでしょうか。

 

とにもかくにも、定例会に携わった皆様、お疲れさまでした。

ワタシは引き続き、そこそこ柏市政、議会を見守ってまいります。

 

ではノシ