わたしかしわしみん

柏市議会、柏市政の観察記録

R4②共産党・矢澤センセ(有機農業の振興)6/9

令和4年第2回定例会の一般質問先頭バッターは共産党の矢澤センセ。

センセは前回も(確か前々回も?)農業をトピックに挙げておられて、今回も取り上げておりまする。

最近では食料安全保障の文脈から、農業に対する関心も高まってきているのではないかと思い、ミーハーなワタクシも取り上げまする。

ーー なお、質疑時間の大部分について、センセは、市立柏高校の問題、部活動の問題をとりあげております。ワタクシ、この問題についても非常に関心は高いのですが、この問題については、ワタクシ個人的な経験などから思いが強すぎるので、あえて取り上げてきておりません。

 

ではでは、センセの第1問。

(以下、地の文は、議会の模様。括弧内はワタクシの感想メインです。なお、いづれも、ワタクシの主観ですので、正式には市議会の中継記録、議事録をご覧くださいませ)

 

センセ、2年半の新型コロナの流行は経済効率性を優先した社会の脆さを露呈しており、農業再生も待ったなしの状況であると。2020年における日本の食料自給率は37%と主要国では際立った低さであると。

日本は、肥料や飼料についても海外輸入に依存していて、ロシア・ウクライナ情勢の影響もあって、お金を出せば食料を調達できる時代でなくなってきているとセンセ。

(コロナと農業の関連はよう分かりませんが、国際情勢、経済金融環境の変化など、様々な影響で「お金を出せば食料を調達できる時代でなくなってきている」というのは、そうかもしれないと思います。)


であるので、食料自給率高めるための農業振興は、国、地方自治体をあげての課題であると。今年の国会で、いわゆる「みどりの食料戦略」の2関連法が可決され、その中では、①農林水産業のCO2排出実質ゼロ、②化学農薬使用量の50%削減、③化学肥料使用量の30%削減、④有機農業の面積を全体耕地面積の25%(100万ha)に拡大などの大胆な目標が掲げられましたと。

これまでの農業が、化学農薬、肥料の使用を前提とした大規模農業を志向していたことからすると、これらの目標を掲げたことは、日本農業の大転換を意味するとセンセ。

そのうえで、センセは以下をご質問。

柏市はこれらの動きをどのように受け止め、推進していくのか。

②前回定例会で、有機農業の課題、意義について市長の発言があったが、いすみ市のように、柏市でも学校給食の有機米使用の目標を掲げてはどうか

③米の販売価格は下落する一方で、肥料・飼料・燃料の価格は高騰していることを考えると、物価高対応の観点から、農業者への支援も行われるべきではないか。

 

この質問に対して、まず太田市長からご答弁。

質問の③について、ご指摘のとおり、原油や肥料・飼料等で価格の上昇が続いており、農業への影響を懸念していると。農業者に対して、燃料、肥料・飼料の価格高騰の影響について聞き取りを進めているところですと。こうした物価高に地方自治体で対応する観点で、国からの臨時交付金もあったので、農業者への具体的な支援を検討し、早期にとりまとめ、必要経費の予算化などを進めていくと答弁。

 

ほんで経済産業部長(だったと思う)から、①と②について答弁。

みどりの食料システム戦略では、2050年までに目指す姿と取組みの方向性示され、センセご指摘の目標が示されたと。

通称、みどりの食料システム法が今国会で成立し、今年7/1から施行されますと。これは、生産物の生産から消費までの各段階における環境負荷の低減を進めるため、国・地方公共団体の責務、生産者・事業者・消費者の役割を明記したと。また、環境負荷低減の取り組みを支援する計画認定制度の創設が盛り込まれていますと。今後、この法律に基づく様々な施策が進むと思いますと。

(まあ、要するに、環境にやさしい農業を推進するための法律が施行されるので、今後色々動きが出てくるでしょうと、そういうことのようです)

そのうえで、センセ質問の①について、柏市有機農業に取り組む農家が少ない状況にありますと。補助金による支援や、化学肥料や化学合成農薬低減にかかる認証制度を通じて環境に配慮した農家の取り組み拡大を後押ししていくと答弁。

センセ質問の②については、学校給食では市内の一部の小中学校で減農薬米を使用していますと。今後、減農薬米普及拡大に取り組む農家の支援や、いすみ市などの先進事例研究など、本市における有機農業のあり方を検討していきますと答弁。

 

センセの更問です。

質問③の、物価高に関する農業者への支援はどうぞよろしくお願いしますと。予算も必要なものをしっかり組んでくださいとご要望。


質問①の、みどりの食料システム法に基づく柏市の取り組みについては、明確な答弁がなく、 積極的な取り組み姿勢感じられないと。

(さいですな)

センセ、柏市の販売農家数の推移を教えてくださいとご質問。

 

経済産業部長、以下のように答弁。

H22年度:1126⇒H27年度:853⇒R2年度:735

 

センセ、10年間で農家数は35%減少しているとご指摘。また、荒廃農地のうち、再生可能な農地の推移を教えてくださいとご質問。

 

経済産業部長、以下のようにご答弁。

H29:46ha⇒H30:51ha⇒R1:55ha

 

センセ、荒廃農地が増えているのが現状であると、これまでの取り組みの延長ではダメだという認識は持っているかとご質問。

 

経済産業部長、これまでの取り組みがすべて無駄とは思っていませんと。販売農家数の減少ペースは緩やかになっていると思う。今後、環境に配慮した農業を進めていくことをきちんと進めていく主旨をご答弁。

(これまでの取り組みにかかる評価を聞いている訳ではないのですがねえ。。)

 

センセ、有機農業を柏市がもっと積極的に進めていけば 荒廃農地も減るのではないかと。有機農業は温暖化対策や生き物多様性の維持に効果があることは事実だが、農業者任せでは進んでいかない課題がありますと。センセ曰く、①まずノウハウの指導が必要、②一時的に減収するので減収補填が必要、③販路が必要ということです。先進事例のいすみ市では、販路について、学校給食を活用していて、いすみ市では学校給食はすべで有機米であると。こうした取り組みをするかどうかの行政の本気度が試されていると仰って終了。

(まずもって、全体の議論を通じて、有機農家を推進していくことの意義が何であるのかというのが、ボヤっとしている感じがします。SDGs(CO2削減や生物多様性)の観点なのか、安全保障の文脈での食料自給率改善なのか、そういった大目標がブレていると、処方箋としての政策手段も定まってこないところがありますなあと思った次第)

(この大目標がどうあるべきかというのはともかくとして、消費者目線では、有機米がまず美味しいのかどうか、安心なのかどうか、価格はどうか、ということが関心事になる訳ですが、そういう議論を置いてけぼりにして、学校給食で採用しようというのはちょっとねえ、という感じがいたします。)

(ワタクシはバカ舌なので、正直お米自体の違いは、言われなきゃわかりません。有機米のほうが、安全性は高そうですが、その分価格も高そうですよね。そうだとすると、これを給食で採用するとなると、給食費用の増加というかたちで、消費者に跳ね返っては来やしないでしょうか。そうすると、せっかくの施策も、市民の反対で下火になるという悲しき事態になってしまいますよね。。)

(そうすると、例えば、農家の負担にかかる市の財政面等のサポートとあわせて、給食費の抑制にかかるサポートをすることを考えると、相応の税金を投入することになる訳ですが、税金を投入する大義名分が、安全性だけだと弱いのです。そこで、SDGsやら、食料安全保障って話が出てくると思うのですが、それを柏市として取り組んでいくことの意義について、もう少し詰めていかないと、なかなか市民の理解も得られないかな、、と思った次第です。)