わたしかしわしみん

柏市議会、柏市政の観察記録

柏市調達案件の適切性に疑念が生じていることについて

久しぶりの更新です。

 

前回のR4年第2回定例会については、本件に関する末永センセの一般質問を拝見して以降ブログ更新をする気が失せてしまい、、、。で、今回のR4年第3回定例会での様子を見て、まあ、やっぱり書くか、と思い更新する次第です。

 

R4年第2回(6月議会)でも、今開会中のR4年第3回定例会(9月議会)でも、無所属の末永センセが本件について取り上げています。なお、本件については、柏市内部での調査が進んでいるとのことですので、事実関係はよくわかっていません。以下では、一般質問を拝見した限りでのワタシの理解をざっくりまとめます。

―― ですので、正確にはみなさま、一般質問の配信をご覧くださいませ。一般質問でのやり取りが、やや複雑でわかりにくいところもあるかと思い、ここで少しポイントをまとめようと試みるものです。

 

えーと、市議会でセンセが取り上げている問題意識は多岐にわたるのですが、このうち大きく3つの問題点を取り上げます。

GIGAスクール関係の機器調達等について二重契約して税金無駄遣い疑惑

②本件の入札について、談合みたいなことが行われている疑惑

③他の事案を見るに、そもそも見積合わせもちゃんとなされていない疑惑

 

①について(二重契約)

GIGAスクールってやつが近年進んできてまして、例えば公立の小学校で、一人1台タブレットの配備がなされてたり、まあとにかく小中学校のITインフラを強化しようという感じで、全国津々浦々、この関係の機器調達やら配線整備やらが、自治体で進められてきているのです。

我らが柏市も例にもれずその対応に追われた(追われている)訳ですが、末永センセ曰く、この関係の機器の調達(リースでの調達)について、二重契約状態になっちゃっているよと。

センセが写真を示しているのですが、よくわからない配線コードがモリモリ入った段ボールがたくさん、どっかの施設に使われず保管されていますと。センセが調べてみると、この機器に対するリース料も現在進行形で支払いが生じているようなんですな。で、これはGIGAスクール関係の設備だと。もちろん、現在使われている同じような機器は現役現場でバリバリ稼働していると。もちろんこの現役機器にもリース料をお支払いしていますと。

段ボールでお休みしている機器について、数千万ベースの税金が無駄になっちゃってんだけど、どーなってんのよってことですな。

本件が適切な状態でないことについては前回の議会で柏市側も認めている感じです。どうしてこんなことなっちゃったのか、調査しますーってのが、前回議会。

 

②について(談合?)

で、今回議会で新たな展開。①の問題事案について、談合みたいなことが行わているんじゃないの?ってことで。

ざっくり書きます。

本件調達を行う際、依頼業者の選定は、入札により決定しています。A社がざっくり5億、B社が3億、C社が辞退しまして、結果としてB社が落札、選定されましたと。でですね、センセが市議会で資料を示して仰ることには、どうも、B社がA社に対して予定額を事前に伝達していたと。ほんで、A社はわざと高い価格を提示してB社に落札させたんではないかということです。

―― 入札は業者間の価格競争原理を働かせることで、できるだけ有利な価格で調達を実現するために行うものですから、センセが仰ることが事実だとするとそもそも入札をやった意味が1ミリもない、というか場合によっては何かの法令(刑法?独占禁止法地方自治法地方財政法?柏市の条例?)との関係でしかるべき処分を受ける人、社が出ても不思議でないように思いますが。ワタシは詳しくないからよーわかりませんが。

 

③について(適当な予定価額の見積あわせ)

調達を行う際、それをどこから調達するのかを決める方法には、入札と随意契約とがありまして。どういう場合には入札、どういう場合には随意契約も可能、みたいな細かい決めが各自治体にあり、当然柏市にもございまする。で、その基準は結構細かいのですが、ひとつの基準に予定価額(価格がどのくらいになりそうかという目安)がございます。当然、価額が大きいものほどできるだけ安く調達すべきですから、入札によるべきということになります。

そんで、この予定価額を出すにあたっては、複数社から見積りをとることで出すこととのルールが柏市にあるようなんです。

で、とある案件(①・②とは別)についての予定価額が2,500万円でしたと。そんで入札かけたら1,100万円ちょっとで収まりましたと。入札やってよかったねって話ではあるんですけど、見積もりの半値以下って、、見積もり雑すぎませんかってことにもなる訳です。

こっからがオモロイのですが、センセの調べによりますと、どうも見積もりを出した会社と、落札をした会社が同じ会社らしいのですよ。

???って感じですよね。詳細はようわからないんですが、どうも本件については、見積もり結果を踏まえた随意契約の予定だったものが、急に入札にかかることになったようでして(センセの発言を踏まえた筆者理解)。そんでいざ入札になったら、見積もりの時は2,500万円って言ってたやつが、1,100万円でやらして下さいって様変わりしましたってーことです。

随意契約だったら、この会社に2,500万円で発注してたことになってたわけですな。

で、センセの質問で、予定価額の見積もり合わせについて、3社からとったと事前説明があったけど、この会社と、あと2社を答えろと迫ったところ、1社は答えがあったのですが、もう1社はよくわかっていないとの答弁でした。

 

さて、こっからは感想です。

まず、これらの件について、めちゃめちゃ悪いことしている人がいるかどうかは正直よくわかりませんがね、センセのご指摘が事実だとすると、柏市として緊張感が欠如していることは指摘せざる免れないでしょうな。税金を使った買い物であることに対する緊張感がマヒしているということです。

かねてより、私は、柏市行政を見る視点は、無駄遣いをしているのかではなく、きちんと仕事をしているのかであると申し上げておりました。本件の結果によると、認識を改める必要がありそうです。

なにも、柏市だけでありません。市議会だって同じです。末永センセのように自分の足で情報収集をして、きちっと市政のお金の使い方をチェックしている方もいれば、ろくすっぽ質問しないセンセもいて、どちらのセンセに対しても同じだけのお給料が税金で支払われいているわけです。

本件については、調査結果を踏まえ、柏市では必要に応じた再発防止策がなされ、もし不正があったならば関与者はしかるべき処分を受けるべきです。

市民としては、ここまで細かな点について市政をチェックすることも、指摘することも現実的でないので、代表者として議員を選挙で選んでいると。であれば、次の選挙できちんと仕事をして下さる方に票を投じることが必要だと、改めて強く思った次第です。

 

ではノシ

 

 

 

R4②共産党・渡部センセ(公立保育園給食調理の民間委託)6/10

共産党の渡部センセの一般質問です。

まず、とても見ごたえがありましたし、勉強になりました。特に保育園給食調理の民間委託にかかる議論は、かなり細かいところまで調べられている印象で、また、市としてのお金の使い方にまで問題意識が及んでおり、すばらしい議論だったと思いました。

 

保育園給食調理についてのセンセの第1問。

①まず、基本的な認識として給食も保育も一環と言うことでよいか。

②昨年度に続き4園が給食調理の民間委託を開始した。保護者には、作り手が変わるだけで他は特に変わらないとの説明だったと聞いているが、本当に何も変わらないのか。
③公立保育園の給食調理の民間委託が進む背景には、歳出抑制施策として、退職者不補充の方針が掲げられていることにある。県内自治体の公立保育園の給食調理の状況をみると、直営が32団体、直営委託混合が6団体、委託が5団体、直営と外部搬入の混合が2団体、外部搬入が2団体となっていて、委託は少数であるから、退職者不補充の方針は見直すべきではないか。

これに対して市長、①についてはご認識のとおり、給食も保育の一環ですと。

ご質問②について、調理業務を委託した場合でも献立作成や食材の調達は市の栄養士が行っている。これは、調理師の雇用主が市から民間業者に変わっても、これまで柏が培ってきた保育園給食の取り組みを継続することが必要との考えに基づくもの。

ご質問③について、給食調理士の退職者不補充の方針は、人件費の適正化だけを目的としているのではなく、多様化、増加する行政ニーズに対応するため、民間の専門性を活用しながら行政サービスをより効率的かつ効果的に提供することを目的にした方針であって、変更する考えはないと。

(お料理なら民間業者のほうが安く美味しくできるっていうことですかね。)

 

これに対してセンセ、給食も保育の一環である認識を共有できるのであれば、柏市が責任をもってやるべきであると。委託先の調理員による子どもの喫食の確認状況、保育士や栄養士との会議の状況、子どもや保護者とのコミュニケーションの希薄化などについて、子ども部長に確認し、特にアレルギーを持つ子どもに対する対応などに懸念を示されました。

これに対して子ども部長は淡々と答弁。委託すると、確かに保育士とのコミュニケーションが文書ベースになるなど、コミュニケーションの質の変化が示唆されましたが、基本的には問題はないとの認識であるご様子。

そのうえで、センセ、退職者不補充の方針は、当初、26億円の財源不足を補うことが目的のひとつだったが、他の財源対策を含む全体の削減額どうなったのかとご質問。

これには企画部長が回答し、アクションプラン(まあ本件を含むリストラ策ですな)全体で135億円の効果があったと答弁。

これを受けてセンセ、市から見ると135億円の「効果」ということだが、その分だけ、市民負担の増加と行政サービスの低下を招いているのではないかとご指摘。また、来年度以降も委託園をどんどん増やしていくのかと更問い。

子ども部長、来年度以降も増やしていくと回答。

センセ、市は大丈夫と言うだろうが色々心配であると。太田市長の公約である保育の質と量の確保の観点から、現在の方針を再検証するとともに、方針を変更してほしいと要望。

太田市長、ご指摘については改めて検証するが、現時点で方針を変更することは厳しい状況もご理解いただきたいと述べて終了。

 

(この公立保育園の調理の外部委託がずんずん進むという事実自体、知っている市民がほとんどいないのではないでしょうかね。ワタクシも二男を毎朝保育園に送っていますが、調理が直営か、委託か、ということを考えたことがなかったので、改めて考えさせられました)

(確かにですね、センセ仰るように、調理だけ外部の人がやるってのもなんだか違和感がありますし、まあ人によるのかもしれませんが、雇用契約が違うと、同じ屋根の下でもコミュニケーションに距離ができることはよくある話です。そうした漠然とした不安自体はワタクシも共有するところです。)

(では、それが具体的にどのような問題を生じ得るのか、という点については、正直よくわかりませんでした。食材調達も、メニューの考案も引き続き柏市が採用している栄養士がやっているということなので、いきなりメニューがしょぼくなる、とかはなさそうです。)

(調理に、子どもの特性を踏まえた、特別な配慮が求められるときには、確かに保育士や栄養士と調理師の密な連携が求められそうです。ただ、それが文書のやり取りによる情報伝達や、当該民間事業者が定める勤務時間内で、十分対応できるのかどうか、ワタクシに肌感覚がないので判断がつきません。)

(ただ、ここまで考えると、こうして民間委託を進める方針に舵を切った際に、柏市がどれだけ詳細な検討をしたのか気になります。ちゃんと現場の聞き取り調査を踏まえつつ、民間委託の推進によるメリットとデメリットを比較衡量したうえで意思決定がなされたかどうか、ということです。その際にどんな検討がなされたのか、ご説明賜りたいものですな。財源ねん出ありきで、大した検討がなされていないのであれば、やっぱり子どもを預ける親として、一抹の不安が生じます。)

 

ではノシ

R4②柏清風・古川センセ(柏駅周辺まちづくり)6/10

柏清風・古川センセの一般質問。柏駅周辺のまちづくりに関するやり取りを取り上げます。

少し先取りしますが、このやり取りを通じて、そごうの跡地がタワーマンションになる可能性についての地ならしがなされているのではないか、と勘繰ってしまうのはワタクシの性格があまりにも悪いからでしょうか。。。そうであればいいのですが。というかですね、本当に柏市にとって重要な土地だと考えるのならば、どうして柏市がその土地を取得することの議論が出てこないのでしょうか。。

 

さて、第一問

柏駅周辺の街づくりについて、ダブルデッキの利活用方法が周知されていないと。

柏アーバンデザインセンター(UDC2)がダブルデッキの利活用について纏めたガイドが公表されたが、いまいち周知されておらず、もったいない。柏市としてもっとダブルデッキの利活用に積極的に取り組むべきではないか、というのが1点目。
2点目は、旧そごうの跡地については、既存建物の老朽化の状況などを考えると、解体の可能性が高いと考えるが、柏市としては、所有者である三井不動産に対して要望だけしていくのか、何等かの財政負担を伴うかたちで関与することも視野に交渉するのか。

これに対して都市部長、柏駅東口のダブルデッキは、歩行者用の通路といだけでなく、広場機能を兼ね備えた、街の賑わいを演出する重要な場所であると。道路占用許可の特例制度を適用して、様々なイベントの実施、民間事業者のオープンカフェなど飲食施設の設置を一定エリアに認めていると。市民にわかりやすい利活用制度の整備とマナーの周知などを通じて、多様な利活用を促進すると同時に、利用者が快適に過ごすことのできる空間演出を目指していきたいと答弁。

2点目の質問について、三井不動産からは、建物老朽化が著しいことから解体のうえ売却となる可能性も高いと聞いていると。柏市としては、当該地は市を代表する大変重要な場所であり、賑わいや憩いを感じられるような利用方法となること、駅前の交通課題の解消も図れるような土地利用が望ましいと考えていると。一方で、駅直結という希少性の高さを考えると、タワーマンションに土地利用が転換されることも想定されると。まずは、三井不動産の検討、協議を継続し、三井不動産だけでは実現できない部分は行政としても検討していく必要と答弁。

(あのー、なんか、初日の太田市長の説明と大分印象が異なるんですけど。いや、初日の太田市長の説明からは、更地にして土地を売却するのは選択肢のひとつ、くらいの印象だった訳ですが、このやり取り聞くと、土地の売却、タワマン利用が基本方針みたいな印象です)

(センセ方の質問は、相当程度、柏市側との事前やり取りを踏まえてのものだと思いますから、こういうやり取りがなされると、なんか地ならししてない?って思ってしまうのですよ。。。というか、太田市長の答弁と大分印象が違うのはなぜなんでしょうかね。)

センセの第2問、ダブルデッキのオープンカフェて固有名詞は言わないけどあそこ一社だけですよねと。(スター●ックスですな)中々輪が広がらない。え、使えたんですか、みないたことが少なくないと。利活用についてもうちょっとわかりやすく伝えるよう積極的に取り組んでほしいとご要望。

そごう跡地について、たしかに、住宅系になる可能性が高いかなと思うと。これだけ円が安いと、外資が売却先になることもある。柏市と話ができるできないという問題も生じ得るし、議会に情報が出てこないなどの事態があっては困るから、適宜情報提供してほしいとご要望。

これに対して都市部長、現在、三井不動産とはきちんと話ができているが、他の方に転売となると、市のお願いをすべて話せるかわからなくなるので、今話ができるうちに、市としてやってほしいことを改めて要望するとともに、要望だけではということもあるので、市としても、検討しなくてはいけない部分については、協議をしながらきちんと考えて相手にぶつけていきたいと考えていますと答弁。

(このやり取りを聞いて、心配になるのはワタクシだけでしょうか。。。相手もプロですから、柏市のためになる具体的な提案を持ってくることなく、勝手な要望ばっか言ってくるだけであれば、コストかける価値なしとして土地を売ってサヨナラってことになるんではないでしょうかね。)

(まず、これを「交渉」と言っている時点で違和感がすごいです。交渉だというなら、柏市として実現したいことは何で、そのために何をするのかをきちんと伝えていくべきですが、それが全く見えてこない。交渉の核心部分は金です。三井不動産としてはどの程度、柏市から費用面でのサポートが得られるのか、という情報を引き出したいのだと思います。これはもちろん市の歳出になり、大変な金額になることは間違いないですが、こうした歳出の是非、程度が市議会で議論されていないです。こうした点について柏市が、水面下できちんと話をしているのであれば「交渉」だと思いますが、そんな雰囲気を感じないのですよね。。おそらく、「交渉」になっていないのではないでしょうか。)

(色々言いたいことは尽きませんが、、、キリないので終わりにします。)

ではノシ

R4②共産党・日下センセ(コミュニティバス・シルバーパス)6/9

共産党の日下センセの一般質問は、公共交通政策についてのやり取りを取り上げます。

 

センセの第1問(括弧内はワタクシの独り言です)

高齢化社会において、高齢者が長年住み慣れた場所で安心して暮らせることが地域社会に活気をもたらしますと。

かつての日本社会では、社会を支えてきた高齢者に敬意をあらわし称える制度がありましたが、そうした制度がどんどんなくなってきたと。

(これを聞いてワタクシの頭にぱっと頭に浮かんだのは、尊属殺重罰規定でしたが、たしかにこれも憲法違反でなくなりましたなあ。ちょっとふざけすぎですねw)

柏市にあった70歳以上を対象とした敬老祝い金は、100歳になった方のみになりました

(なんと!そんな制度があることを知りませんでした。昔のはちょっと出てこなかったんですが、今は100歳になった方に3万円支給されるようです。)

後期高齢者の医療費が無料から2割に変更されたとき、年寄りは死ねと言われているようだと。長生きを喜び合えるような温もりある社会がいいですよねとセンセ。

 

そんな折に、市内全域におけるコミュニティバスの実現が動き始めたことは嬉しいことだと。第一弾として、柏駅と市役所、保健所を結ぶバスが来年1月から運行開始する計画ですと。①計画実現に向けた進捗状況や料金、経路についてどのような話し合いがなされているのか、②今後、市内全域にコミュニティバスを拡大することについて、どのように具体化していくのか、とご質問。また、③シルバーパスの導入について、どのような検討が行われているのかとご質問。

土木部長のご答弁、1月から新たに運行を開始する柏駅ー市役所ー保健所のバスについては、ルートを協議しているところ。また、運賃については、既存の路線バスがウェルネス柏を走っていることから、当該路線バスの運賃との整合性を踏まえつつ、検討、協議していく主旨の答弁。

②の、市内全域へのコミュニティバス拡大については、公共交通へのアクセスが不便な地域におけるアンケートを実施したところ、その回答を踏まえて今後の進め方について検討しているところ、という趣旨の答弁。

③シルバーパスについては、費用対効果を踏まえて今後検討していく由。

これに対して、センセ、過去議会でずーっと要求してきたことが太田市長になって進んできて大変うれしいと述べたうえで、コミュバスと路線バスを同じに考えたんでは困りますと。1月から運行するのもコミュバスであって、既存の路線バスとは違うと。コミュバスは地域で生活するためのバスなので、例えば利用距離とかによらず、一律100円であれば、高齢者の重たい腰も上がるので、多くの人に使ってもらえるんだとご主張。

土木部長、今回は、柏市が運行するのでなくて、民間バス事業者を補助する形式で運行するコミュバスですと。運賃については、基本的には必要な料金を頂く方針。そのうえで高齢者にはシルバーパスも検討していると応答。

センセ、民間に依頼するにしても柏市の施策なのだから、運賃も柏市が設定すべきであって、民間に任せっきりにしないでほしいと要望して終了。

(最初、やり取りを聞いていて、高齢者をメインユーザーとして運行するコミュバスなど、到底採算はとれないでしょうから、市としての補助が必然になり、それはセンセが仰る高齢者福祉そのものです。)

(正直、現役世代としては、こうした話を聞くと、どうしてもシルバー民主主義だなあと思ってしまいます。そうしたバスの運行にも税金が投入される訳ですから。高齢者の皆さんが街に繰り出して、たくさんお金を使ってくれるならばセンセのおっしゃるように街の活力につながる訳ですが、たぶんそうはならないと思うのですがいかがでしょうか。また、フレイル予防が大事とか言われているなかで、コミュニティバスが便利になればなるほど高齢者が歩くモチベーションが失われはしませんか、とか、色々モヤっとした思いがありました。)

(ただ、一呼吸おいて、例えば、他の問題解決と絡めて議論するならば、現役世代も賛同しやすいなあ、と思いました。例えば、柏市の渋滞のひどさ、昨今の高齢者の自動車運転に対する社会的な問題意識の高まりなどを考えると、市内在住の高齢者の免許返納を促すことは前向きに考えていただきたいと思っています。免許を取り上げてしまった後の生活の足がなくなることがないようにという観点でコミュニティバスを整備していくことや、免許を返納した高齢者の公共交通利用料を補助していくことには、現役世代にも大きな意義があると思うのです。)

(ここまで考えたら、センセのおっしゃることは、もう少し幅広い世代のメリットを考えて進めることができれば、大変結構なことだなあと思いました。)

 

ではノシ

R4②共産党・矢澤センセ(有機農業の振興)6/9

令和4年第2回定例会の一般質問先頭バッターは共産党の矢澤センセ。

センセは前回も(確か前々回も?)農業をトピックに挙げておられて、今回も取り上げておりまする。

最近では食料安全保障の文脈から、農業に対する関心も高まってきているのではないかと思い、ミーハーなワタクシも取り上げまする。

ーー なお、質疑時間の大部分について、センセは、市立柏高校の問題、部活動の問題をとりあげております。ワタクシ、この問題についても非常に関心は高いのですが、この問題については、ワタクシ個人的な経験などから思いが強すぎるので、あえて取り上げてきておりません。

 

ではでは、センセの第1問。

(以下、地の文は、議会の模様。括弧内はワタクシの感想メインです。なお、いづれも、ワタクシの主観ですので、正式には市議会の中継記録、議事録をご覧くださいませ)

 

センセ、2年半の新型コロナの流行は経済効率性を優先した社会の脆さを露呈しており、農業再生も待ったなしの状況であると。2020年における日本の食料自給率は37%と主要国では際立った低さであると。

日本は、肥料や飼料についても海外輸入に依存していて、ロシア・ウクライナ情勢の影響もあって、お金を出せば食料を調達できる時代でなくなってきているとセンセ。

(コロナと農業の関連はよう分かりませんが、国際情勢、経済金融環境の変化など、様々な影響で「お金を出せば食料を調達できる時代でなくなってきている」というのは、そうかもしれないと思います。)


であるので、食料自給率高めるための農業振興は、国、地方自治体をあげての課題であると。今年の国会で、いわゆる「みどりの食料戦略」の2関連法が可決され、その中では、①農林水産業のCO2排出実質ゼロ、②化学農薬使用量の50%削減、③化学肥料使用量の30%削減、④有機農業の面積を全体耕地面積の25%(100万ha)に拡大などの大胆な目標が掲げられましたと。

これまでの農業が、化学農薬、肥料の使用を前提とした大規模農業を志向していたことからすると、これらの目標を掲げたことは、日本農業の大転換を意味するとセンセ。

そのうえで、センセは以下をご質問。

柏市はこれらの動きをどのように受け止め、推進していくのか。

②前回定例会で、有機農業の課題、意義について市長の発言があったが、いすみ市のように、柏市でも学校給食の有機米使用の目標を掲げてはどうか

③米の販売価格は下落する一方で、肥料・飼料・燃料の価格は高騰していることを考えると、物価高対応の観点から、農業者への支援も行われるべきではないか。

 

この質問に対して、まず太田市長からご答弁。

質問の③について、ご指摘のとおり、原油や肥料・飼料等で価格の上昇が続いており、農業への影響を懸念していると。農業者に対して、燃料、肥料・飼料の価格高騰の影響について聞き取りを進めているところですと。こうした物価高に地方自治体で対応する観点で、国からの臨時交付金もあったので、農業者への具体的な支援を検討し、早期にとりまとめ、必要経費の予算化などを進めていくと答弁。

 

ほんで経済産業部長(だったと思う)から、①と②について答弁。

みどりの食料システム戦略では、2050年までに目指す姿と取組みの方向性示され、センセご指摘の目標が示されたと。

通称、みどりの食料システム法が今国会で成立し、今年7/1から施行されますと。これは、生産物の生産から消費までの各段階における環境負荷の低減を進めるため、国・地方公共団体の責務、生産者・事業者・消費者の役割を明記したと。また、環境負荷低減の取り組みを支援する計画認定制度の創設が盛り込まれていますと。今後、この法律に基づく様々な施策が進むと思いますと。

(まあ、要するに、環境にやさしい農業を推進するための法律が施行されるので、今後色々動きが出てくるでしょうと、そういうことのようです)

そのうえで、センセ質問の①について、柏市有機農業に取り組む農家が少ない状況にありますと。補助金による支援や、化学肥料や化学合成農薬低減にかかる認証制度を通じて環境に配慮した農家の取り組み拡大を後押ししていくと答弁。

センセ質問の②については、学校給食では市内の一部の小中学校で減農薬米を使用していますと。今後、減農薬米普及拡大に取り組む農家の支援や、いすみ市などの先進事例研究など、本市における有機農業のあり方を検討していきますと答弁。

 

センセの更問です。

質問③の、物価高に関する農業者への支援はどうぞよろしくお願いしますと。予算も必要なものをしっかり組んでくださいとご要望。


質問①の、みどりの食料システム法に基づく柏市の取り組みについては、明確な答弁がなく、 積極的な取り組み姿勢感じられないと。

(さいですな)

センセ、柏市の販売農家数の推移を教えてくださいとご質問。

 

経済産業部長、以下のように答弁。

H22年度:1126⇒H27年度:853⇒R2年度:735

 

センセ、10年間で農家数は35%減少しているとご指摘。また、荒廃農地のうち、再生可能な農地の推移を教えてくださいとご質問。

 

経済産業部長、以下のようにご答弁。

H29:46ha⇒H30:51ha⇒R1:55ha

 

センセ、荒廃農地が増えているのが現状であると、これまでの取り組みの延長ではダメだという認識は持っているかとご質問。

 

経済産業部長、これまでの取り組みがすべて無駄とは思っていませんと。販売農家数の減少ペースは緩やかになっていると思う。今後、環境に配慮した農業を進めていくことをきちんと進めていく主旨をご答弁。

(これまでの取り組みにかかる評価を聞いている訳ではないのですがねえ。。)

 

センセ、有機農業を柏市がもっと積極的に進めていけば 荒廃農地も減るのではないかと。有機農業は温暖化対策や生き物多様性の維持に効果があることは事実だが、農業者任せでは進んでいかない課題がありますと。センセ曰く、①まずノウハウの指導が必要、②一時的に減収するので減収補填が必要、③販路が必要ということです。先進事例のいすみ市では、販路について、学校給食を活用していて、いすみ市では学校給食はすべで有機米であると。こうした取り組みをするかどうかの行政の本気度が試されていると仰って終了。

(まずもって、全体の議論を通じて、有機農家を推進していくことの意義が何であるのかというのが、ボヤっとしている感じがします。SDGs(CO2削減や生物多様性)の観点なのか、安全保障の文脈での食料自給率改善なのか、そういった大目標がブレていると、処方箋としての政策手段も定まってこないところがありますなあと思った次第)

(この大目標がどうあるべきかというのはともかくとして、消費者目線では、有機米がまず美味しいのかどうか、安心なのかどうか、価格はどうか、ということが関心事になる訳ですが、そういう議論を置いてけぼりにして、学校給食で採用しようというのはちょっとねえ、という感じがいたします。)

(ワタクシはバカ舌なので、正直お米自体の違いは、言われなきゃわかりません。有機米のほうが、安全性は高そうですが、その分価格も高そうですよね。そうだとすると、これを給食で採用するとなると、給食費用の増加というかたちで、消費者に跳ね返っては来やしないでしょうか。そうすると、せっかくの施策も、市民の反対で下火になるという悲しき事態になってしまいますよね。。)

(そうすると、例えば、農家の負担にかかる市の財政面等のサポートとあわせて、給食費の抑制にかかるサポートをすることを考えると、相応の税金を投入することになる訳ですが、税金を投入する大義名分が、安全性だけだと弱いのです。そこで、SDGsやら、食料安全保障って話が出てくると思うのですが、それを柏市として取り組んでいくことの意義について、もう少し詰めていかないと、なかなか市民の理解も得られないかな、、と思った次第です。)

 

R4②定例会開会(議案、市長市政説明、通告事項)

6/3日、柏市議会の令和4年第2回定例会が開会いたしました。

今回は、①議案について、②市長説明について、③通告事項について、さっくり書きたいと思います。

 

1.議案について

前回の予算議会とは打って変わって、今回は提出議案が6件と随分さっぱり。

昨年同時期が30件(このうち15件が同種の議案なので、実質的には15件)なので、まあやっぱり6件というのは少ないのでしょう。その6件は以下。

①専決処分について(柏市税条例及び柏市都市計画税条例の一部を改正する条例の制定について)

柏市税条例等の一部を改正する条例の制定について

③工事の請負契約の締結について(柏市立田中小学校校舎長寿命化改良工事(建築工事))

④専決処分について(令和4年度柏市一般会計補正予算について(第1号))

⑤令和4年度柏市一般会計補正予算について(第2号)

⑥令和4年度柏市学校給食センター事業特別会計補正予算について(第1号)

 

専決処分というのは、議会に諮ることなく市長の権限で処分できるものとして、市議会で議決したものです(ちなみに柏市議会も「地方自治法180条第1項の規定に基づく市長の専決事項の指定について」という議決がございまして、どういうものが専決処分できるのか、定めれらているようです。)。まあ、つまり、①と④は、あまり議論の余地なしという理解です。

⑤と⑥は、補正予算ですが、主な案件は、ちょっと前に柏市内の飲食店でやってたキャンペーン(paypayで支払うとポイントが還元されるやつ)の再開に伴う追加予算と、物価高に伴う学校給食費の追加予算計上ですね。いずれも財源は国から補助がありますし、後者は国から実施を検討するよう通達のあったものです。

内閣府からの各自治体への通達⇒https://www.chisou.go.jp/tiiki/rinjikoufukin/pdf/20220428_jimurenraku.pdf

(上の通達は国から自治体に送られている訳ですが、わざわざ別途要望書(内容は国の通達と同様)を作って市長に渡しているセンセ方の写真をtwitterで目撃したので、どういうつもりか伺うべくリプしましたが、6/4日AM1:40時点で返信を頂けていません。ワタシとしては、その要望、極めて無駄だと思いますし、現時点で少しも付加価値を感じていない(むしろマイナス)ですが、ぱっと見、議員としての仕事しました、みたいに見えてしまうかもしれず、嫌だなーと思いました。)

 

最近、コロナ禍における経済対策と称して、国からの補助金だからえいやって感じでやってしまう自治体の珍事業(やたらでかいイカのモニュメント作ったり)が問題視されていますので、センセ方にきちんとウォッチはしていただきたいですが、まあpaypayのやつはそこまで変な事業とも思いませんので、⑤と⑥もあんまし論点なさそう。

②の条例改正も形式的なもののようです。

残るは、③の田中小学校の改修工事の請負契約締結6億円と。こちらは案件詳細がわかりませんのであまりコメントできませんが、一般質問で議論があるでしょうから、それを聞きたいと思います。

 

2.市長市政説明

ということで、案件が少ないかつシンプルなので?議案の説明はなし。

初日の主なイベントは市長の市政説明のみです。

―― 他には、勤続10年とか30年のセンセ方を表彰する、ほっこりなシーンがありました。

 

市長の市政説明での主なポイントを超ざっくり

①本市におけるコロナ感染者は減少傾向だけど、引き続き市民のみなさま気を付けましょう、感染予防に協力してね

②ワクチン接種4回目は60歳以上、基礎疾患を有する人を対象(国の方針)。円滑にできるよう頑張ります。

③令和3年度の柏市の決算は、収支均衡の見通し。

④今回議案になっている補正予算については、給食費の負担変えることなくクオリティを維持するためです、paypay事業は飲食店に限定することなく実施します

⑤ひとり親、低所得者に対する給付金給付の状況説明

⑥コロナ対策は、重症化リスクの高い人により集中的に実施します。コロナに限らず感染症対策を考えていきます。

ウクライナからの避難者4世帯5人を柏市に受け入れ、必要な支援していきます。

⑧そごう跡地、柏市が早く利活用方針を示せと三井不動産に言ったところ、4月に三井不動産から「柏駅周辺のさらなる発展に寄与したいと考えており、これらを考慮したうえで、現存する建物を解体し、更地として土地を売却することも含めて検討を行っている。当該土地は、柏駅周辺エリアの魅力創出につながる重要な場所と認識しており、頂いた要望書の内容を踏まえて引き続き検討する」との回答を得た。柏市としては、今後も同社と協議していきます

⑨柏まつりと手賀沼花火大会は、コロナ対策の観点から中止。残念だけど、ごめんね

⑩(仮称)柏市こども若者総合支援センターは、青少年センター敷地内に作る計画、近隣住民と話しながら準備していきます

⑪3月に福島で発生した地震対応で、柏市の職員を2名、相馬市に派遣しました。被災地への支援だけでなく、柏市の災害対策ノウハウの向上効果もあります。

市立柏高校で、平成30年に生徒が死亡した事案につき、本年3月に報告書の提出がありましたた。教育委員会と今後の対応方針を協議しています。

⑬住民票の処理で間違いがありました。すんません。再発防止に努めます。

 

えーと、⑧については発言ママで引っ張ってる部分がありますが、1つだけ言わせてください。三井不さん、心意気をすごく嬉しく思ったんですが、更地にして土地売却しちゃったら、柏の発展に寄与していただけないじゃないですか、、、(泣)。

 

3.通告事項について

通告事項は以下からご覧いただけます。

www.city.kashiwa.lg.jp

ざっと見たところ、やっぱりというか、議案に関する質問はあまりないなあという印象です。田中小学校の改修について取り上げそうなのは、柏清風の村越センセ、公明党の中島センセ。見落としがあるかもしれませんし、議論の流れとかで、他のセンセからも質問があるかもしれませんが。

あとは、コロナ対策であったり、まちづくりだったり、行政DXだったり、教育だったりに関する質問が多い印象です。議案が少ない分、センセ方の問題意識が全面に出てきやすかったりするかと思いますし、楽しみしてみたいと思います。

個人的には、太田市長体制下で初めて作ったと思われる対外公表方針である令和4年度行財政運営方針についての質問が無さそうなのが何とも寂しいなあと思った次第。

関連過去記事⇒

mtsukah22.hatenablog.com

 

これまでは、結構長文になってしまったこともあるので、今議会は、広く浅く、できるだけ多くのセンセの議論を取り上げようかと思っています(といいながら、書きやすい書きづらいがあるのでそうなるかわかりませんが)。

 

でわノシ

柏市・令和4年度行財政運営方針の読み方に関する私見

久方ぶりの更新でございます。


今回は、先日(4/8日)、ワタシの重要関心事でありました柏市の行財政運営方針が公表されましたので、鑑賞いたしましょうということです。
―― なお、この行財政運営方針が公表されるに至った背景については、以下の過去記事をご覧いただくとざっくりお分かりいただけるかと思います。

mtsukah22.hatenablog.com

 

この方針の公表を、ワタシ首を長くして待っていたのですが、いざ公表された中身を見てですね、これを一体どのように受け止めるべきか悩ましくて悩ましくて、思案しておりました。

 

ワタシが悩ましいと思った最大のポイントは、

行財政運営方針(新方針)と、柏市経営戦略方針・柏市第五次総合計画(既存方針)の関係を理解することが難しい

ということです。

 

具体的に難しいと感じた部分や、その上でのワタシなりの読み方については以下でお示ししますが、そういう難しさを踏まえると、果たして【市民にわかりやすく「伝わる」情報発信】になっているのかな、というのが一番モヤっとしたポイントですな。もうちょっとはっきりお示しいただけると、ワタシのような一般市民フレンドリーなんですけど、と思ってしまった次第。

―― 念のため、誤解なきよう申し添えますが、ワタシは柏市がより良くなることを心から願っている「いち市民」ですので(書いているうちに、筆がすべってつい批判的になってしまうことも多々ありますが)、基本的に柏市をとても応援していますし、こうやってつらつらと書いているのも、私なりの市政への参加であり、応援であります。

 

ではでは、具体的にみてまいりましょう。

 

―― 柏市行財政運営方針(以下、新方針とも言います)は以下のページで公表されております。

令和4年度行財政運営方針 | 柏市役所 (kashiwa.lg.jp)

ーー このHTMLのページには、計画の冒頭部分がのっかっているのですが、本文全体はページの一番下にリンクが組まれていて、PDFでのっかっています(URLは以下)。

https://www.city.kashiwa.lg.jp/documents/29128/r4gyouzaiseiunneihoshin_press.pdf

 

まず、本文(全文PDFのほう)の1ページに、「はじめに(行財政運営方針の位置づけ)」と題して、この方針と、過去の計画との関係性が述べられております。まあ、このページの図をみるとわかりやすいので、拝借します↓。

 

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(出典)柏市・令和4年度行財政運営方針

この図によると、行財政運営方針とは、①各年度における【経営資源の配分・活用】における方向性を示すパート(行財政運営の方向性)と、②各年度に優先して取り組む主要な政策体系のパートからなるものですと。そんで、これらのおおもとには、まちづくりの将来ビジョンを示す柏市経営戦略方針・柏市第五次総合計画があるのですと。

今回話題にしたいのは、この①のパート(行財政運営の方向性)と、柏市経営戦略方針の関係です。
―― なので、今回②のパートはパスします。

①のパートはどういう構成になっているかということで、目次をみると、

--------------------------------------------------------------------------------

Ⅰ 令和4年度における行財政運営の方向性 ・・・・・・・・・ 2
 1 生産性・効率向上の取り組み ・・・・・・・・・ 3
 2 健全財政の維持の取り組み ・・・・・・・・・ 4
 3 人材・組織づくりの取り組み ・・・・・・・・・ 5
 4 多様な主体との連携の取り組み ・・・・・・・・・ 6

-------------------------------------------------------------------------------

という構成になっています。

最初見たときはですね、ふむふむと眺めていたわけですが、なんか違和感があってですね。その違和感というのは、「Ⅰ 令和4年度における行財政運営の方向性」の本文(2ページ)から受ける印象と、その後に続く1~4の小見出しの項目の本文(3ページから6ページ)から受ける印象にギャップを感じるのですよ。

なんでかなー、しかし、1~4はどっかで見たことあるなー、とか思っていたところ、この1~4の項目は、柏市経営戦略方針(既存方針)において掲げられている「経営資源の活用方針」に示されている4つの方針とほぼ同じであるということに気づいたのですよ↓。

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(出典)柏市経営戦略方針〈柏市第五次総合計画後期基本計画〉

具体的な取組として、新たに述べられていることもある(後述)のですが、少なくとも経営資源の活用方針について、新市長のもとで策定された新方針のそれと、秋山前市長のもとで策定された既存方針のそれとは、大して変わらない、という風に理解せざるを得なくなります。

―― 市議会の議論を踏まえてポジティブに解釈すると、柏市五次総合計画はそれなりに重たいステップを経て策定されていることからして、既存計画をある程度配慮、尊重しなければならない、という思いがあるのかもしれません。実際、そんなことを匂わせる太田市長の答弁もございました。しかし、柏市民の多くが太田市長を選んだことを踏まえると、経営資源の活用方針が前時代と瓜二つどころか、そっくりそのまま使いまわす程に謙虚になる必要はないと思うのですが、いかがでしょうか。果たして、太田市長にそういう配慮があるかどうかはともかく、客観的に公表された計画を見比べると、基本的には前市長と同じ方針ではないか、との印象を持たれても仕方ないと思うのです。なお、既存計画の策定プロセスについては、以下の記事で触れています。

mtsukah22.hatenablog.com

 

そうすると、最近の市議会での議論も踏まえつつ、今回の新方針をどう読むか、ということについてワタシの見解を述べますと、【新方針における経営資源の活用方針について、実質的に意味があるのは2頁のみ】ということです。

もうちょっと解釈を拡大すると、2頁記載の事項は、1~4の小見出し項目より高いレベル感で書かれていることを踏まえると、2頁に記載の事柄については、これまでの計画において示された方針に優先し得るものとして位置付けられているものとして読むべきではないか、とも考えられるのですが、考えすぎでしょうか。
―― そう読むと、2頁の右下に柏市長の署名があることの意味も、すっきり腹落ちするのです。ちなみに、この署名、計画の冒頭が記載されているHTMLページにはございません。

―― なお、この2ページに記載の事柄というのは、太田市長の公約で掲げられていたものがほとんどですので、そういう意味では新規性はあまりないです。太田市長の公約が、市の公式な計画に位置付けられた点がNew!なだけです。

 

こういう解釈をしないと、正直、この新方針を出した意味がさっぱりよくわからないのです。相当部分が、既存計画の焼き増しになっていますから。確かに、各方針における現状認識とか、取り組みの方向性とか、主な取り組みとか、丁寧に書いていただいているんですが、既存方針の記載事項に肉付けしたようなものに過ぎない印象です。また、いくら具体的な取組で新規なものがあったとしても、なかなか新しい風を感じるような解釈ができない(その趣旨は後述します)というのが私の受け止めです。

ですから、新方針は、2頁以外ほぼ意味なし、と読んだのですが、この読み方が正しいかどうか、次の議会における議論で答え合わせができるでしょうか。

 

ワタシの読み方が正しいにせよ、正しくないにせよ、位置づけが非常にわかりづらいと言わざるを得ず、そういう意味では、2頁に記載の【市民にわかりやすく正確に「伝わる」情報発信】にはなっていないのではないかと、これがモヤっとポイントですな。

 

以上が総論ですが、いくつか、具体的な記載事項についてコメントいたします。

 

①本文・2頁

(引用)

・災害に強い強靭なまちづくりの取組
 「誰も取り残さない万全な避難体制」に向け、電力確保等の環境整備に取り組みます。

 

(コメント)

⇒過去記事でも申し上げましたが、新電力会社にはワタシ現時点で大反対です。

 

②本文・4頁(2 健全財政の取り組みにおける「主な取り組み」)

(引用)

・主要な財政指標の中核市平均値(下記)を基準値とし、当市の財政状況の評価と分析を行い、歳入確保策の検討や優先事業への財源の適正配分など行財政運営に反映します。
中核市平均値(令和2年度)※基準値については、毎年度更新します。
〇経常収支比率92.9%・将来負担比率43.7%
〇実質公債費比率5.7%・市債残高比率163.9%

・市有地の売却促進に向けた未利用地情報の公開

 

(コメント)

⇒具体的な財政指標について、他の中核市との対比で評価をしていく取組自体は良いと思うのですが、先に述べたように小見出しが「健全財政の取組」となっていることや、文字面としては旧市政の方針と同じこととの関係で、どう解釈したらよいものかわからないです。
⇒他の中核市との比較でいえば、柏市の財政は超健全です。なぜなら、過去の柏市政では、せっせせっせと歳出を削り、一生懸命貯金をしてきているからです。そういう節約が必要な場合もありますが、ワタシとしては、柏市はやり過ぎで、その結果として市民生活インフラの整備が追い付いてない部分があると考えています。この辺は、以下の記事で述べております。

mtsukah22.hatenablog.com

⇒ですから、例えばもうちょっと市債を有効活用しよう、とかそういう議論があってもよいと思うのですが、見出しが「健全財政の取組」ときて、旧計画のそれを踏襲しているので、比較した結果どうなっていくのか、そのベクトルがよくわからないのですよ。

⇒市有地の情報公開は早速にやってほしいと思いますが、これを公開することで、色々な業者さんがちょっかい出してくることを少し懸念いたします。市有地の処分は、適正な価格で、公正に、透明性をもってやっていただきたいですな。

 

③本文・5頁(3 人材・組織づくりの取り組みにおける「主な取り組み」)

(引用)
・リーダー層を対象とした課題解決、政策推進能力の向上及び中堅層を対象とした業務遂行力向上のための職員研修の充実
・職層ごとに求められる期待役割の明確化と給与等の処遇の見直し
・政策推進に資する組織体制の構築(組織の適正規模等の検討・再編)

 

(コメント)

⇒これもベクトルがどっちなのか解釈できないということでして。。。極力、職員のモチベーションを高める方向で、優秀な人材を登用できる方向での取組をお願いしたいものです。いえ、効率化、健全財政、ときた後での処遇見直しとか、組織の検討とかってことだと、給与の削減、リストラ、と読む方向に流れやすいのでですね。。。柏市サポーターのワタシとしては、是非、市役所の職員のみなさまがより一層働きがいをもって働いていただけるよう願っております。

 

それではノシ