わたしかしわしみん

柏市議会、柏市政の観察記録

R4②共産党・渡部センセ(公立保育園給食調理の民間委託)6/10

共産党の渡部センセの一般質問です。

まず、とても見ごたえがありましたし、勉強になりました。特に保育園給食調理の民間委託にかかる議論は、かなり細かいところまで調べられている印象で、また、市としてのお金の使い方にまで問題意識が及んでおり、すばらしい議論だったと思いました。

 

保育園給食調理についてのセンセの第1問。

①まず、基本的な認識として給食も保育も一環と言うことでよいか。

②昨年度に続き4園が給食調理の民間委託を開始した。保護者には、作り手が変わるだけで他は特に変わらないとの説明だったと聞いているが、本当に何も変わらないのか。
③公立保育園の給食調理の民間委託が進む背景には、歳出抑制施策として、退職者不補充の方針が掲げられていることにある。県内自治体の公立保育園の給食調理の状況をみると、直営が32団体、直営委託混合が6団体、委託が5団体、直営と外部搬入の混合が2団体、外部搬入が2団体となっていて、委託は少数であるから、退職者不補充の方針は見直すべきではないか。

これに対して市長、①についてはご認識のとおり、給食も保育の一環ですと。

ご質問②について、調理業務を委託した場合でも献立作成や食材の調達は市の栄養士が行っている。これは、調理師の雇用主が市から民間業者に変わっても、これまで柏が培ってきた保育園給食の取り組みを継続することが必要との考えに基づくもの。

ご質問③について、給食調理士の退職者不補充の方針は、人件費の適正化だけを目的としているのではなく、多様化、増加する行政ニーズに対応するため、民間の専門性を活用しながら行政サービスをより効率的かつ効果的に提供することを目的にした方針であって、変更する考えはないと。

(お料理なら民間業者のほうが安く美味しくできるっていうことですかね。)

 

これに対してセンセ、給食も保育の一環である認識を共有できるのであれば、柏市が責任をもってやるべきであると。委託先の調理員による子どもの喫食の確認状況、保育士や栄養士との会議の状況、子どもや保護者とのコミュニケーションの希薄化などについて、子ども部長に確認し、特にアレルギーを持つ子どもに対する対応などに懸念を示されました。

これに対して子ども部長は淡々と答弁。委託すると、確かに保育士とのコミュニケーションが文書ベースになるなど、コミュニケーションの質の変化が示唆されましたが、基本的には問題はないとの認識であるご様子。

そのうえで、センセ、退職者不補充の方針は、当初、26億円の財源不足を補うことが目的のひとつだったが、他の財源対策を含む全体の削減額どうなったのかとご質問。

これには企画部長が回答し、アクションプラン(まあ本件を含むリストラ策ですな)全体で135億円の効果があったと答弁。

これを受けてセンセ、市から見ると135億円の「効果」ということだが、その分だけ、市民負担の増加と行政サービスの低下を招いているのではないかとご指摘。また、来年度以降も委託園をどんどん増やしていくのかと更問い。

子ども部長、来年度以降も増やしていくと回答。

センセ、市は大丈夫と言うだろうが色々心配であると。太田市長の公約である保育の質と量の確保の観点から、現在の方針を再検証するとともに、方針を変更してほしいと要望。

太田市長、ご指摘については改めて検証するが、現時点で方針を変更することは厳しい状況もご理解いただきたいと述べて終了。

 

(この公立保育園の調理の外部委託がずんずん進むという事実自体、知っている市民がほとんどいないのではないでしょうかね。ワタクシも二男を毎朝保育園に送っていますが、調理が直営か、委託か、ということを考えたことがなかったので、改めて考えさせられました)

(確かにですね、センセ仰るように、調理だけ外部の人がやるってのもなんだか違和感がありますし、まあ人によるのかもしれませんが、雇用契約が違うと、同じ屋根の下でもコミュニケーションに距離ができることはよくある話です。そうした漠然とした不安自体はワタクシも共有するところです。)

(では、それが具体的にどのような問題を生じ得るのか、という点については、正直よくわかりませんでした。食材調達も、メニューの考案も引き続き柏市が採用している栄養士がやっているということなので、いきなりメニューがしょぼくなる、とかはなさそうです。)

(調理に、子どもの特性を踏まえた、特別な配慮が求められるときには、確かに保育士や栄養士と調理師の密な連携が求められそうです。ただ、それが文書のやり取りによる情報伝達や、当該民間事業者が定める勤務時間内で、十分対応できるのかどうか、ワタクシに肌感覚がないので判断がつきません。)

(ただ、ここまで考えると、こうして民間委託を進める方針に舵を切った際に、柏市がどれだけ詳細な検討をしたのか気になります。ちゃんと現場の聞き取り調査を踏まえつつ、民間委託の推進によるメリットとデメリットを比較衡量したうえで意思決定がなされたかどうか、ということです。その際にどんな検討がなされたのか、ご説明賜りたいものですな。財源ねん出ありきで、大した検討がなされていないのであれば、やっぱり子どもを預ける親として、一抹の不安が生じます。)

 

ではノシ